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REVIEW|3x3.EXE PREMIER × INNOVATION LEAGUE

2021.03.29
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■行政主導のスポーツとテクノロジーの融合に参画
3月の大会で、リモート観戦の新しい形を提唱した

3x3.EXE PREMIERは昨季に、コロナ禍の影響で無観客開催となった逆風をはねのけ、実際のプレー映像とCG画像を合成した画期的な配信を行って話題を集めた。つねに革新を求める3x3.EXE PREMIERがこの春、また新たなチャレンジを行った。3月14日に開催した「3x3.EXE PREMIER powered by INNOVATION LEAGUE(イノベーションリーグ)」が、それだ。

イノベーションリーグとはスポーツ庁と、スポーツとテクノロジーの融合をテーマに次世代のスポーツビジネスを創出し、企業同士で新たな価値を創造することを目的とするSPORTS TECH TOKYOが共同で実施している取り組み。3x3.EXE PREMIERは、コラボレーションパートナーとして、SPORTS TECH TOKYOと連携している。

3月の大会は、2020年に開催した「3x3.EXE PREMIER JAPAN 2020 CUP」で優勝、あるいは上位の成績を収めたUTSUNOMIYA BREX.EXE、SIMON.EXE、BEEFMAN.EXE、TOKYO CRAYON.EXEの4チームが出場。高レベルのゲームを次世代のテクノロジーを用いて配信し、リモート観戦の新しい形を提唱した。

今大会はイノベーションリーグで採択された、360度自由視点映像を製作するAMATELUS株式会社と、次世代スポーツ観戦アプリ「SpoLive」を提供するSpoLive Interactive株式会社、そしてスポーツDJ(R)との共観戦体験が味わえるアプリ「eジャングル」を供するジャングルX株式会社の3社が参加。今大会が実現に至った経緯とねらいを、3x3.EXE PREMIERの競技/PR担当である加藤翔哉が話す。

「新しいテクノロジーを利用した観戦方法を提案するのは、我々のリーグにとって価値のあることだと思いましたので、イノベーションリーグに参加させていただくことになりました。『SpoLive』『eジャングル』とも、それぞれのアプリで視聴している、違う競技のファンがいらっしゃいます。新しいテクノロジーの導入とともに、そういった方々に向けて、今大会が3x3に触れてもらうきっかけになればという思いもありました」

■ライブ視聴とともにユーザー同士をはじめ、
つながりをひろげる「SpoLive」が参加

ふたつのアプリにはそれぞれ異なった特徴があり、「SpoLive」はスマートフォンで試合のライブ観戦ができるとともに、好きなチームの応援や、サポーター同士のチャットができる無料スポーツアプリ。自社が行っているサービスについて、SpoLive Interactive社の岩田裕平CEOが解説してくれた。

「アプリ自体はすごくシンプルで、映像配信がある試合であれば映像が見られたり、それがない試合であればスコア速報が見られます。そのうえでこのアプリを通じて、ファンの方々同士でコミュニケーションをとっていただいたり、選手やチームを応援することができるサービスです。

選手の情報もしっかりと入れていまして、ファンの方が知らないであろう選手の一面や、トリビアのような情報も表示されます。単に自宅などで映像を視聴するだけではなく、現地で観戦しながらでも片手にスマホを持って楽しんでいただいたり、別の媒体で視聴されながらも『SpoLive』を開いていただければ、みんなで応援を競ったり、コミュニケーションをとったりできるアプリです」

従来型のメディアは技術の限界もあり、発信者側の一方的なものにならざるを得ない一面があった。その一方で「SpoLive」はユーザー同士など、横のつながりを深めていくツールであることが特徴のひとつ。

「そうですね。お客さんとお客さんもそうですし、お客さんと選手やチーム、リーグの方々がつながれる。そんな世界を目指しています。最近は応援数を競うことがアプリ上で行われていて、先日のラグビーの試合では100万対100万と、すごい応援数が出ていました。そういう新しい楽しみも、どんどん提供していきたいと考えています。

それに加えて選手の知られざる一面を紹介している意図としては、自分との共通点や意外な趣味とか、そういうことに共感して選手のことを好きになったというストーリーもありますよね。単にプレーが上手い、下手とは別の魅力をチームや選手から発掘していくのも、すごく大事だと思っています。今日も選手のネタが入ってきていますので、お楽しみいただければうれしいですね」

「SpoLive」アプリは今回のコロナ禍に対応して制作されたものではないが、こうしたリモートマッチとの親和性の深さを証明することにもなった。

「コロナに関わらず会場のキャパシティには限りがありますし、試合会場に来られる方々は限定されてしまう。物理的な制約から解き放っていくのは、インターネットの力でできると思います。どうしてもリアルとデジタルは分断して考えてしまいがちですが、2020年代は、それを融合していく時代になるでしょう。デジタルの情報を、リアルにフィードバックする。なおかつリアルの情報をしっかりとデジタルにも届けていくことができると、それこそ70億人が集合できるスタジアムみたいなものが作れる。その可能性を3x3.EXE PREMIERさんとぜひ、いっしょに探っていきたいです」

■「eジャングル」は“聴く”体験で競技や選手を深堀り
ライブ配信では次の展開を予想し、それを競い合う

ジャングルX社が提供する「eジャングル」は、ライブ配信にポッドキャスト、そしてインプレ―の機能を備えたアプリだ。世界40以上、年間10,000以上の試合を無料でライブ配信し、ポッドキャストでは公認スポーツDJ®がここでしか聞けない選手やチームのストーリーを届け、インプレ―では勝敗や次のプレーを予測し、ユーザー同士で競い合う。サービスの強みを、ジャングルX社の川北武昭ディレクターがアピールする。

「通常ですと、試合を見ることに体験が集中しがちだと思います。ですが今回も我々が行っているサービスを通じて、スポーツDJ®による音声コンテンツと、動画による注目選手の紹介などで、試合の前からこれまで3x3を知らなかったような人にも興味喚起ができました。そして次のプレー、次の展開を予測する面白さも『eジャングル』ならでは。試合の前からスポーツDJ®によって選手の深い面を知り、そして試合中はプレーを予測する形で、まったく違う没入感ができる。それが強みだと思っています」

スポーツを観るという行為は、受け身になりがちな側面がある。「eジャングル」はそれを次のプレーを予測するなどで、能動的な行動へと変容させる。

「なかなか得点が動かず、退屈になってしまう試合だったとしても、次にどちらが得点を獲るかを予測する。それだけでも、自分事として観戦できるのが大きな特徴です。見ている人を、置いてきぼりにしない。

それと同時に、競技や選手を深堀していくことにも注力しています。選手のスタッツにフォーカスした展開も用意していまして、この試合で10点獲るのか、キャリアハイを達成できるのか。試合とはまた別の観点で、そうして選手にフォーカスしていけるのも強みとして上げられます」

ジャングルX社はどこに魅力を感じて今回の取り組みに応募し、どんな成果を得たのか。

「3x3.EXE PREMIERさんが柔軟な姿勢で、先進的な取り組みをされていることは知っていました。今回応募させていただきました動機は、我々といっしょにスポーツのなかで新しい取り組みができるとの期待感を持ってのことです。

実際に今日、本番を終えて、リモートでファンの方がどういう熱量を持っていらっしゃるのかがわかりましたし、それは試合会場で得られるものとは違う感情だと感じています。リモートでも、充分にいろんな新しい体験を提供していける。日本だけではなくアジアに展開した際にも、我々のフォーマットはどこの国の人にも熱狂を生みだせる余地が充分にある。そういった手応えが得られました。今回の3x3.EXE PREMIERさんとの取り組みのなかでも、いろんな新しい発見がありましたので、それを発展させていきたいと思っています」

■持ち前の柔軟な発想とフットワークの軽さを軸に
3x3.EXE PREMIERは、今後も新しい世界を拓く

今大会では自由視点映像の動画制作に、性格の異なるアプリによる競技認知の普及に取り組んだ。これらを通じて3x3.EXE PREMIERは、また新たな視聴体験を発展させる術を得た。冒頭にも紹介した運営側の加藤は、今大会を開催しての手応えを確信する。

「イノベーションリーグと連携したことは、新しい企業さんと関わるきっかけになりました。それによって3x3を知ってもらう母数が増えることも、もちろん期待してのことです。

その取り組みの最初である今大会は『eジャングル』さん、『スポライブ』さんとともに行い、チャットなどを見ていると『これが3x3なのか』などといった声もいただきました。この大会が3x3に触れていただくきっかけになった人がいらっしゃいましたので、我々としてもやった意味がありましたし、3x3という競技の認知度拡大につながったと捉えています」

依然としてコロナ禍の影響下にあるなかで、大会の開催には大小の困難がともなった。それを乗り越えて無事に大会を終え、運営者の3x3.EXE PREMIERにはさらなる自信と強さが加わり、そして将来へのビジョンも広がった。

「無観客の開催が続く中で、3x3.EXE PREMIERの新しい魅せ方を創るべく、今回は照明等の演出が入れられるこの都内某スタジオを会場に選びました。駅前や神社、ショッピングモールといったハイトラフィックな場所で開催をしてきましたが、今回もまた3x3はコートが引ければどこでもできるという強みを生かし、また新しい使い方の引き出しが増えた手応えがあります。初めての試みはわからないことばかりで大変ですが、今後も環境や場所に応じた3x3の新しい楽しみ方を提供していきたいです。」

3x3.EXE PREMIERが最優先するのはファンであるが、プレーヤーをないがしろにはしない。無観客で開催した今大会で、ある選手が発したコメントがそれを如実に表す。

「優勝したUTSUNOMIYA BREX.EXEの齊藤洋介選手が、インタビューで『無観客だけど、演出がすごかった』と言ってくれました。選手がそう言ってくれて、本当にうれしかったです。3x3.EXE PREMIERはお客さんに見ていただくことが第一ですが、出場する選手に気持ち良くプレーできる環境を用意し、最高のパフォーマンスを発揮してもらうことも、それと同じくらいに大事。どちらかが欠けても、いいものにはなりません。その点はつねに足下を見つめ直し続け、怠ることがないようにしていきます。

運営側は今回もコロナ対策を万全にして、スタッフにエントラント、そのほかの関係者もみなさんが協力していただき、無事に終えることができました。でも本音を言うと、早くお客さんを迎え入れて大会を開催したい気持ちが強くあります。それと同時に我々はこういった配信をはじめ、新しい取り組みに積極的にチャレンジしていくべきだとも考えています」

柔軟な発想でアイデアを広げ、フットワーク軽く従来の常識を乗り越えて、新しい世界を作る。今回の「3x3.EXE PREMIER powered by INNOVATION LEAGUE」は、そんな3x3.EXE PREMIERのアイデンティティを具現化した大会であったといえるだろう。

TEXT by カワサキマサシ

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