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REVIEW|WOMEN’S CATEGORY STARTED -PART1-

2020.11.30
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■3x3.EXE PREMIER JAPAN 2020 CUP|11月の第3回大会から、女子チームが登場

3x3.EXE PREMIERは、コロナ禍の影響を受けて中止になってしまったリーグ戦に代わり、1日完結型のトーナメントによるカップ戦「3x3.EXE PREMIER JAPAN 2020 CUP」を10月より開催。大会は無観客で行い、試合の模様はCG画像とプレーする選手の姿を合成した斬新な映像を、インターネット配信で届けている。

11月22日には第3回となる大会が行われ、ここで初めて女子チームが登場。5チームがエントリーし、熱戦が繰り広げられた。今回はこの大会に出場した女子選手たちにスポットを当て、いまだ収束の気配を見せないコロナ禍のなかで、彼女たちがどうバスケットボールと向き合っているのか。その思いに迫る。


■WJBLで通算3000得点を達成した長部沙梨が3x3に初挑戦

大会はSHOEHURRY.EXEと、CHIBA BEX.EXEの対戦で幕を開けた。試合は終盤まで、一進一退の攻防。残り1分45秒でCHIBA BEX.EXEが勝ち越すと、そのまま最後まで守り切って、15-14とわずか1点差で勝利した。

CHIBA BEX.EXEには今季から、2018-19まで10シーズンにわたってWJBLのトヨタ紡織サンシャインラビッツでプレーした長部沙梨が加入。彼女はルーキーシーズンを除いて毎季1試合平均2ケタ得点をあげ、通算3000得点も達成するなど、得点力に長けた選手である。5人制で充分すぎる実績を残した長部であるが、3x3はこれが初参戦。

「5人制をやっているころから、こっちの世界のことをまったく知らなくて、ルールもよくわかっていなかったんです。5人制とは全然、違う世界だなと思っていましたね」

いざ自分が3x3の世界に足を踏み入れてみると、思いのほか正しく運営されていて、そして想像していた以上にハードなスポーツであることを身をもって知った。

「以前はこうして、ちゃんとしたリーグがあることも知らなくて、ストリートボールのようなイメージもありました。だけど入ってプレーしてみたら、すごくハードにやっているし、本当にキツいです。休む暇がないし、プレー中は攻守の切り替えの連続。ナメていましたね(苦笑)」

彼女自身はトヨタ紡織を退団後、バスケから離れるつもりでいた。約1年ほどはボールも触らず、今までできなかった好きなことをして暮らし、その間に仕事も始めた。そんなある日、5人制時代の先輩選手から「CHIBA BEX.EXEは今年に立ち上げるチームで人数が集まっていなくて、寄せ集めでやるので名前だけ貸して」と言われ、長部は「ホントに名前だけですよ」と渋々応じた。しかし……。

「まさかこんなに、がっつりやるなんて(笑)。3人制は攻守の切り替えがすごく大事で、休むところがない。逆に言えば切り替えを速くすれば、速く攻められて、得点チャンスが増える。その攻防は、楽しいところですね。私は5人制のときから1対1が好きだったので、それが生かされるし、相手とのマッチアップは楽しいです」

普段はバスケットボールのウエアメーカーで働き、勤務が終わってから練習に勤しむ日々。

「しっかり仕事をしたあとの練習は身体が重いし、今までとは全然違いますね。みんな仕事をしているので人数が集まらないとか、環境が整わない。そのなかで、短時間に集中してやるという部分でも難しいところがあります。でもCHIBA BEX.EXEとしては、バスケを楽しむことをすごく大事にしてて、私自身も今の生活が楽しいです。仕事をした後のバスケは、リフレッシュにもなっていますね。現役時代は本当にバスケ漬けで、振り返るとバスケのことばかり考えていて、けっこうしんどかった。今は、純粋に楽しいんですよ」

彼女は初めての3x3.EXE PREMIER参戦がリモートマッチという、異例の経験をしたひとり。

「これが初めてなので、お客さんが入った通常開催がどんな雰囲気なのか楽しみです。今回は配信のみですが、私から大した発信はしていないんですけど、今まで応援してくれた人たちがメールなどでメッセージをくれました。会場に来られない人たちとも、こうしてつながれるんだなと感じましたね。ネットが普及したからこそ、新しい形でファンの方も増えて、こういうやり方もありなんだなと思いました」


■現役WJBL選手であり、普段は病院勤務。近内瞳が体感したコロナ禍の3x3

初戦でCHIBA BEX.EXEに惜しくも1点差で敗れた、SHOEHURRY.EXEの中心選手のひとりが近内瞳。山梨クィーンビーズに所属する現役のWJBL選手である彼女は、今季3x3にも参戦を決意した。

「5人制と3x3を並行してやることに、懸念はまったくないですね。私は物事をポジティヴに考えるほうで、なにか新しいことにチャレンジしたいと思っていたんです」

しかしコロナ禍によって活動はままならず、今大会を迎えるまでにチーム練習ができたのは1~2回ほど。

「その状態で今日に臨み、ほぼぶっつけ本番みたいな感じで、すごく緊張しました。3x3は攻守の切り替えがすごく速いのもそうだし、競技として5人制とは全然違う。それに、すごく頭を使う競技だとも感じました。今日はプレーすることに精一杯でしたが、もっと頭を使ってやらないといけないと、実感させられましたね」

そんな彼女は日中、地元・山梨の病院で医療事務として働いている。選手として5人制と3x3の2WAYにとどまらず、パーソナリティとしては3WAYなのだ。

「仕事の現場にも新型コロナの影響は当然大きかったですが、そのおかげで日ごろから、アルコール消毒などの予防対策を徹底しています。病院で仕事をしながらいろいろな活動をしているので、私がなったらいけないという責任もあります」

今大会の新型コロナ対策については、医療関係者の目線からこう話してくれた。

「対策は、しっかりされていますね。出場選手は2週間前から体調チェックを受けていましたし、行動履歴の提出も求められました。会場内は各所に消毒用のアルコールが用意されていて、プレー中以外はマスクを着けるように求められている。感染対策を万全にして、行われたと思います」

そしてこれはアスリートとして二刀流であり、病院関係者でもある彼女だからこその言葉。

「観戦してドキドキ、ワクワクするし、明るくなれるポジティヴな面がすごくある。それがスポーツの、すごい力だなと思うんです。こうして大会が開催されることはとてもうれしいことですし、感謝しています。そのぶん選手たちは、普段の生活から(感染対策に)気を付けないといけません」

今回のリモートマッチに参戦することを自身のSNSで発信すると、反響があった。離れていても応援してくれる人がいることに心強さを得たが、その一方で、観客の前でプレーしたい思いもある。

「3x3.EXE PREMIERに出場するのはこれが初めてなので、もともとのお客さんと近い状態を知らないんですよ。それが感じられなかったのは、残念です。普段はもっとお客さんとの距離が近くて、すごい雰囲気なんですよね。早く日常が戻って、お客さんに囲まれたなかでプレーするのが楽しみです」

(Text by カワサキマサシ)

PART2へ続く

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