#06 INTERVIEW|PROSESS.EXE~ここは到達点でも、終着点でもない PROCESS.EXEは次に向かう過程の場~

2022.05.18

3x3.EXE PREMIER JAPANには今季、男女あわせて10チームが新規参入します。本企画は新規参入チームのオーナーに参入の背景、クラブが目指すものなどを語ってもらい、新たに3x3.EXE PREMIER JAPANに加わる仲間を紹介するシリーズ連載です。
第6回は神奈川県相模原市をホームとするPROCESS.EXEで、自らもプレーヤーとして参戦する草野佑太オーナーに、チームとしての在り方や目指すものなどを語っていただきました。

 

ここは到達点でも、終着点でもない
PROCESS.EXEは次に向かう過程の場

今季から新規参入するPROCESS.EXEは、草野佑太氏が選手兼オーナーとなって立ち上げたチームである。草野氏は高校時代に、バスケの名門校・藤枝明誠高でプレー。U-16日本代表候補に選出された経歴を持ち、卒業後は高卒でBリーグの東京サンレーブス(現SHINAGAWA CITY BASKETBALL CLUB)に入団した。

その後は武者修行のためスペインに飛び、帰国後は岩手ビッグブルズを経て、2019年から3x3に軸足を置いて活動を始めた。そして2020年に、PROCESS.EXEの運営母体である株式会社相模原プロセスを起業する。第一線のプレーヤーでありながら、なぜ事業を興し、3x3.EXE PREMIER参戦へと至ったのか。

「僕は最終的に、海外で5人制のバスケットをやりたいんです。20歳のときに一度、スペインのリーグに渡りました。ですが海外挑戦は多くの資金が必要で、当時はスポンサーを集めたりして行ったのですが、本腰を入れて何年もチャレンジするのは難しいなと感じたんです。それからいろいろと調べていくと、日本でもサッカーの選手とかは、選手でありながらビジネスを興したりして、いろんなところにキャッシュポイントを持っていることがわかった。自分も海外で活動していくためには、なにかしらのビジネスを興してプレーヤー以外のところでも、キャッシュを作ることが大事だな思ったんです」

チームと会社の本拠地は、草野氏の出身地である神奈川県相模原市に定めた。自身の出身地であることもそうだが、ビジネスの観点からもこの地は草野氏の考えに適した場所だったという。

「相模原市からは僕以外に男子のプロバスケットボール選手が出ていなくて、地元にプロバスケットボールチームもありません。神奈川県内では川崎市や横浜市と比べて、競技力も高くないんです。自分がビジネスを興すなら、バスケットボールに関するものが最初だと思っていました。そこで相模原エリアの特性を考えると、自分のやりたいことと市のマーケット的なニーズが一致する。なので相模原で会社を興して、事業を始めました」

株式会社相模原プロセスが手掛ける事業は、バスケットボール関連を中心に多岐にわたる。

「主には、バスケットボールスクールですね。参加者は小学生から上は高校生までいて、それを週に3回、自社で行っています。自社でスクールを行っている以外にも、今年度に関しては、ほかのスクールを運営する会社さんから委託を受けてのコンサル事業だったり、スクールの経営に外部からの視点で携わることもやっているんです。ほかにも飲食店やオーダースーツの事業などもやっていまして、スポーツを入り口にして、いろんな業態を手掛けています」

一方でPROCESS.EXEは、ただ自らがプレーするために作ったのではない。

「うちのクラブは過程を大切にしようということがコンセプトにあって、チーム名をPROCESS.EXEとしています。選手はほかの3x3のチームと比べてもBリーグ経験者がすごく多いですし、大学から最終的にBリーグを目指している選手たちもけっこういるんです。このPROCESS.EXEで最終的にキャリアを終えたいとか、ここでなにかを残したいというより、次へのステップのひとつとして考えている選手が多い。僕に限らず、所属する選手たちは自分の夢のプロセスとして、ここを使ってくれているのかなと捉えています」

先に草野選手兼オーナーは、相模原市のバスケットボールの競技力はあまり高くないと発言した。これを高めることにも、PROCESS.EXEと株式会社相模原プロセスを通じて取り組んでいく。

「まずスクール事業では、指導しているコーチは、現役のプレーヤーを兼ねています。プロレベルの競技力を持った選手がコーチを務めることで、プレーのスピード感や強度など、実際のトップリーグで経験したものを伝えられる。自分の声で伝えられるのは、若い世代にとっていい経験になると思っています」


3x3だけではなく5人制のチームも持ち、そこでも独自のアプローチを施す。

「5人制はトップチームに加えて、セカンドチームも設けています。これは僕がスペインに行った経験から、ずっと持ち続けていたアイディアなんです。実力的にはトップチームに在籍できるくらいの競技力を持っていても、なかなか多くの出場機会を得られないことが、どうしても課題として出てきてしまう。若い世代だと、トレーニングを積むのもひとつの方法ですが、やはり実戦での経験に勝るものはないと思っています。

そこで若い世代はセカンドチームに所属させて、試合経験を積ませるアプローチをとっています。セカンドチームの所属選手は、相模原出身者にこだわってはいません。Bリーグを志望してる選手もいますし、相模原出身の現役の高校生をはじめ学生の選手もけっこういる状況で、若い選手を中心に構成されているイメージです」

短期的にチームが結果を出すことだけではなく、クラブとしての中長期的な目標も当然、持ち合わせている。

「Bリーグにも3x3にも、ほかのどのカテゴリーにもPROCESS.EXEに関わった選手がいるようにしたいですね。PROCESS.EXE出身者が、ほかのチームでプレーすることもあり得るでしょう。今の若者はいろんな大会やコンテンツに出たりしています。
そういった様々なバスケットシーンで、PROCESS.EXEに関わった選手がプレーしていて、それを見てもらえるようになればと思っています」

名のある大学を経てプロになるのが、日本のバスケ界のスタンダードなルート。それとは違うアプローチで、PROCESS.EXEを経て次の舞台で輝く選手が現れる日が来るかもしれない。


「僕らはバックグラウンドとかは関係なく、その人のマインドやバスケットボールの競技力しか見ていません。どこの大学を出ていますとか、どこどこ高校やっていましたというのは、あまり関係ないんです。根底にあるのはBリーグに所属する選手や、そこを目指す選手、あるいは別の道を目指す選手たちが、自分の目標に対していい進み方ができるようにしたいということ。選手にとっての、可能性が広がる場でありたい。その考えは、絶対にブレません。

将来を夢見る者、夢を諦めていない選手たちがPROCESS.EXEに集った。1年目のチームであるが、草野選手兼オーナーはその実力にすでに手応えを得ている。

「若い選手が多いのでエナジーあるプレーと、あとアウトサイドシュートが上手な選手がすごく多いので、そこは注目してもらいたいですね。僕らはほかの3x3のチームと比較しても、圧倒的に練習している頻度や回数が多い。3x3は経験ある選手が多いがゆえにだと思うのですが、コーチを置いて練習を行っているチームが僕の経験上、あまりなかった印象があります。僕らはコーチの指導を受けて練習しているので、そういった点も強みになるんじゃないかなと思っています」

参入初年度とはいえ、選手兼オーナーとしては結果にもこだわる。

「もちろん、そうですね。最低でもプレーオフ進出が絶対だと掲げています。本当は大きく出て、ベスト4とかチャンピオンシップを獲るという目標設定も大事かなと思うんです。だけどBリーグ経験者が多いがゆえに、3x3の経験が浅い選手も多い。まずは長くその競技をやられている対戦相手や選手をしっかりとリスペクトして、僕たち自身が3x3に慣れることも大切。目先の目標としてプレーオフ進出を掲げて、そこから先は進出が決まったタイミングで、また考えればいいかなと思っています」

PROCESS.EXEは、自らが歩みを進めていく過程でなにを生み、なにを残していくのか。注視したい。

(Text by カワサキマサシ)

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